愛知大学岩田晋典ゼミのブログ

ゼミ活動の記録/報告、資料のアーカイブ化が目的です:ゼミのホームページは別にあります。

【卒論】研究のオリジナリティ

 研究のオリジナリティというものは、以下の4点に分けることができる。みんなもオリジナリティのある研究を目指してほしい。新たな商品を開発するようなつもりで。
 
1.不足した情報の提供・補足:
「これまでの先行研究ではこれについて十分に(or詳しく)扱われていない(カバーされていない)。自分が詳しく論じましょう!」という切り口。卒業研究に多い。
 
2.正しい情報の提供:
事実誤認の指摘と正しい情報の解説。
「これまでAについて論じてきた先行研究はこれこれの点で誤っている。本論で示すように、Aはむしろこうでこうだ。以下論じようではありませんか!」という切り口。難易度が高い。
 
3.未知の情報の提供:
「その問題を扱う先行研究では、これについてまだ誰も論じていない。なので私が論じます!」という切り口。卒業研究に多い。
 
4.重要な情報の再喚起・再意識化:
忘れられがちなことを再度強調する。論文ではなく、むしろ、速報性が重要になる報道系の記事類に多い。その際、再喚起していることがわざわざ断られないことも珍しくない。卒業研究には適さない。
 
【注意!】
 どの方向性で行くにしても、現時点での常識(先行研究の状況)をオオヨソでも知らないと、オリジナリティを主張できないことに注意。
 たとえば、開発したい商品の流通状況を知らないと、その市場で全体として何が不足しているか分からない。言いかえれば、何を加えた商品が「新しい商品」になるか分からない。
 すでに「私が開発した商品のオリジナルなところはこの機能があるところです!」って言ったって、その機能をすでに市場に出ている他商品が持っていたら、恥ずかしいことこの上ない。